イザヤ23-25; ピリピ1

イザヤ書

第23章

23:1ツロについての託宣。
タルシシのもろもろの船よ、泣き叫べ、
ツロは荒れすたれて、家なく、
船泊まりする港もないからだ。
この事はクプロの地から彼らに告げ知らせられる。
23:2海べに住む民よ、
シドンの商人よ、もだせ、
あなたがたの使者は海を渡り、
大いなる水の上にあった。
23:3ツロの収入はシホルの穀物、
ナイル川の収穫であった。
ツロはもろもろの国びとの商人であった。
23:4シドンよ、恥じよ、
海は言った、海の城は言う、
「わたしは苦しまず、また産まなかった。
わたしは若い男子を養わず、
また処女を育てなかった」。
23:5この報道がエジプトに達するとき、
彼らはツロについての報道によって、いたく苦しむ。
23:6タルシシに渡れ、
海べに住む民よ、泣き叫べ。
23:7これがその起源も古い町、
自分の足で移り、遠くにまで移住した町、
あなたがたの喜び誇る町なのか。
23:8ツロにむかってこれを定めたのはだれか。
ツロは冠を授けた町、
その商人は君たち、
その貿易業者は地の尊い人々であった。
23:9万軍の主はすべての栄光の誇を汚し、
地のすべての尊い者をはずかしめるために
これを定められたのだ。
23:10タルシシの娘よ、
ナイル川のようにおのが地にあふれよ。
もはや束縛するものはない。
23:11主はその手を海の上に伸べて
国々を震い動かされた。
主はカナンについて詔を出し、
そのとりでをこわされた。
23:12主は言われた、
「しえたげられた処女シドンの娘よ、
あなたはもはや喜ぶことはない。
立って、クプロに渡れ、
そこでもあなたは安息を得ることはない」。
23:13カルデヤびとの国を見よ、アッスリヤではなく、この民がツロを野の獣のすみかに定めた。彼らはやぐらを建て、もろもろの宮殿をこわして荒塚とした。
23:14タルシシのもろもろの船よ、泣き叫べ、
あなたがたのとりでは荒れすたれたから。
23:15その日、ツロはひとりの王のながらえる日と同じく七十年の間忘れられ、七十年終って後、ツロは遊女の歌のようになる、
23:16「忘れられた遊女よ、
琴を執って町を経めぐり、
巧みに弾じ、多くの歌をうたって、
人に思い出されよ」。
23:17七十年終って後、主はツロを顧みられる。ツロは再び淫行の価を得て、地のおもてにある世のすべての国々と姦淫を行い、23:18その商品とその価とは主にささげられる。これはたくわえられることなく、積まれることなく、その商品は主の前に住む者のために豊かな食物となり、みごとな衣服となる。

第24章

24:1見よ、主はこの地をむなしくし、
これを荒れすたれさせ、これをくつがえして、
その民を散らされる。
24:2そして、その民も祭司もひとしく、
しもべも主人もひとしく、
はしためも主婦もひとしく、
買う者も売る者もひとしく、
貸す者も借りる者もひとしく、
債権者も債務者もひとしく、
この事にあう。
24:3地は全くむなしくされ、全くかすめられる。
主がこの言葉を告げられたからである。
24:4地は悲しみ、衰え、
世はしおれ、衰え、
天も地と共にしおれはてる。
24:5地はその住む民の下に汚された。
これは彼らが律法にそむき、定めを犯し、
とこしえの契約を破ったからだ。
24:6それゆえ、のろいは地をのみつくし、
そこに住む者はその罪に苦しみ、
また地の民は焼かれて、わずかの者が残される。
24:7新しいぶどう酒は悲しみ、ぶどうはしおれ、
心の楽しい者もみな嘆く。
24:8鼓の音は静まり、
喜ぶ者の騒ぎはやみ、
琴の音もまた静まった。
24:9彼らはもはや歌をうたって酒を飲まず、
濃き酒はこれを飲む者に苦くなる。
24:10混乱せる町は破られ、
すべての家は閉ざされて、はいることができない。
24:11ちまたには酒の不足のために叫ぶ声があり、
すべての喜びは暗くなり、
地の楽しみは追いやられた。
24:12町には荒れすたれた所のみ残り、
その門もこわされて破れた。
24:13地のうちで、もろもろの民のなかで残るものは、
オリブの木の打たれた後の実のように、
ぶどうの収穫の終った後にその採り残りを
集めるときのようになる。
24:14彼らは声をあげて喜び歌う。
主の威光のゆえに、西から喜び呼ばわる。
24:15それゆえ、東で主をあがめ、
海沿いの国々でイスラエルの神、主の名をあがめよ。
24:16われわれは地の果から、さんびの歌を聞いた、
「栄光は正しい者にある」と。
しかし、わたしは言う、「わたしはやせ衰える、
わたしはやせ衰える、わたしはわざわいだ。
欺く者はあざむき、
欺く者は、はなはだしくあざむく」。
24:17地に住む者よ、
恐れと、落し穴と、わなとはあなたの上にある。
24:18恐れの声をのがれる者は落し穴に陥り、
落し穴から出る者はわなに捕えられる。
天の窓は開け、地の基が震い動くからである。
24:19地は全く砕け、
地は裂け、
地は激しく震い、
24:20地は酔いどれのようによろめき、
仮小屋のようにゆり動く。
そのとがはその上に重く、
ついに倒れて再び起きあがることはない。
24:21その日、主は天において、天の軍勢を罰し、
地の上で、地のもろもろの王を罰せられる。
24:22彼らは囚人が土ろうの中に
集められるように集められて、
獄屋の中に閉ざされ、
多くの日を経て後、罰せられる。
24:23こうして万軍の主がシオンの山
およびエルサレムで統べ治め、
かつその長老たちの前に
その栄光をあらわされるので、
月はあわて、日は恥じる。

第25章

25:1主よ、あなたはわが神、
わたしはあなたをあがめ、み名をほめたたえる。
あなたはさきに驚くべきみわざを行い、
いにしえから定めた計画を
真実をもって行われたから。
25:2あなたは町を石塚とし、堅固な町を荒塚とされた。
外国人のやかたは、もはや町ではなく、
とこしえに建てられることはない。
25:3それゆえ、強い民はあなたを尊び、
あらぶる国々の町はあなたを恐れる。
25:4あなたは貧しい者のとりでとなり、
乏しい者の悩みのときのとりでとなり、
あらしをさける避け所となり、
熱さをさける陰となられた。
あらぶる者の及ぼす害は、
石がきを打つあらしのごとく、
25:5かわいた地の熱さのようだからである。
あなたは外国人の騒ぎをおさえ、
雲が陰をもって熱をとどめるように
あらぶる者の歌をとどめられる。
25:6万軍の主はこの山で、すべての民のために肥えたものをもって祝宴を設け、久しくたくわえたぶどう酒をもって祝宴を設けられる。すなわち髄の多い肥えたものと、よく澄んだ長くたくわえたぶどう酒をもって祝宴を設けられる。25:7また主はこの山で、すべての民のかぶっている顔おおいと、すべての国のおおっているおおい物とを破られる。25:8主はとこしえに死を滅ぼし、主なる神はすべての顔から涙をぬぐい、その民のはずかしめを全地の上から除かれる。これは主の語られたことである。
25:9その日、人は言う、「見よ、これはわれわれの神である。わたしたちは彼を待ち望んだ。彼はわたしたちを救われる。これは主である。わたしたちは彼を待ち望んだ。わたしたちはその救を喜び楽しもう」と。
25:10主の手はこの山にとどまり、モアブは肥だめの中に踏まれるわらのように、おのれの所で踏みにじられる。25:11彼はその中で泳ぐ物が泳ごうとして手を伸ばすように、その手を伸ばす。しかし主はその高ぶりを、その手の巧みなわざと共に低くされる。25:12その石がきの高い城郭を主は傾け倒し、地に投げうって、ちりにかえされる。


ピリピ

第1章

1:1キリスト・イエスの僕たち、パウロとテモテから、ピリピにいる、キリスト・イエスにあるすべての聖徒たち、ならびに監督たちと執事たちへ。
1:2わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。
1:3わたしはあなたがたを思うたびごとに、わたしの神に感謝し、1:4あなたがた一同のために祈るとき、いつも喜びをもって祈り、1:5あなたがたが最初の日から今日に至るまで、福音にあずかっていることを感謝している。1:6そして、あなたがたのうちに良いわざを始められたかたが、キリスト・イエスの日までにそれを完成して下さるにちがいないと、確信している。1:7わたしが、あなたがた一同のために、そう考えるのは当然である。それは、わたしが獄に捕われている時にも、福音を弁明し立証する時にも、あなたがたをみな、共に恵みにあずかる者として、わたしの心に深く留めているからである。1:8わたしがキリスト・イエスの熱愛をもって、どんなに深くあなたがた一同を思っていることか、それを証明して下さるかたは神である。1:9わたしはこう祈る。あなたがたの愛が、深い知識において、するどい感覚において、いよいよ増し加わり、1:10それによって、あなたがたが、何が重要であるかを判別することができ、キリストの日に備えて、純真で責められるところのないものとなり、1:11イエス・キリストによる義の実に満たされて、神の栄光とほまれとをあらわすに至るように。
1:12さて、兄弟たちよ。わたしの身に起った事が、むしろ福音の前進に役立つようになったことを、あなたがたに知ってもらいたい。1:13すなわち、わたしが獄に捕われているのはキリストのためであることが、兵営全体にもそのほかのすべての人々にも明らかになり、1:14そして兄弟たちのうち多くの者は、わたしの入獄によって主にある確信を得、恐れることなく、ますます勇敢に、神の言を語るようになった。1:15一方では、ねたみや闘争心からキリストを宣べ伝える者がおり、他方では善意からそうする者がいる。1:16後者は、わたしが福音を弁明するために立てられていることを知り、愛の心でキリストを伝え、1:17前者は、わたしの入獄の苦しみに更に患難を加えようと思って、純真な心からではなく、党派心からそうしている。
1:18すると、どうなのか。見えからであるにしても、真実からであるにしても、要するに、伝えられているのはキリストなのだから、わたしはそれを喜んでいるし、また喜ぶであろう。1:19なぜなら、あなたがたの祈と、イエス・キリストの霊の助けとによって、この事がついには、わたしの救となることを知っているからである。1:20そこで、わたしが切実な思いで待ち望むことは、わたしが、どんなことがあっても恥じることなく、かえって、いつものように今も、大胆に語ることによって、生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストがあがめられることである。1:21わたしにとっては、生きることはキリストであり、死ぬことは益である。1:22しかし、肉体において生きていることが、わたしにとっては実り多い働きになるのだとすれば、どちらを選んだらよいか、わたしにはわからない。1:23わたしは、これら二つのものの間に板ばさみになっている。わたしの願いを言えば、この世を去ってキリストと共にいることであり、実は、その方がはるかに望ましい。1:24しかし、肉体にとどまっていることは、あなたがたのためには、さらに必要である。1:25こう確信しているので、わたしは生きながらえて、あなたがた一同のところにとどまり、あなたがたの信仰を進ませ、その喜びを得させようと思う。1:26そうなれば、わたしが再びあなたがたのところに行くので、あなたがたはわたしによってキリスト・イエスにある誇を増すことになろう。
1:27ただ、あなたがたはキリストの福音にふさわしく生活しなさい。そして、わたしが行ってあなたがたに会うにしても、離れているにしても、あなたがたが一つの霊によって堅く立ち、一つ心になって福音の信仰のために力を合わせて戦い、1:28かつ、何事についても、敵対する者どもにろうばいさせられないでいる様子を、聞かせてほしい。このことは、彼らには滅びのしるし、あなたがたには救のしるしであって、それは神から来るのである。1:29あなたがたはキリストのために、ただ彼を信じることだけではなく、彼のために苦しむことをも賜わっている。1:30あなたがたは、さきにわたしについて見、今またわたしについて聞いているのと同じ苦闘を、続けているのである。


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